タイムスコープ

「タイムスコープ」とは、ユーザーの立っている位置と方角に応じた歴史的景観を表示するiPhone / iPad用のアプリケーションです。

例えば、かつて平安京の宮殿のあった辺りは、現在は京都市上京区の市街地になっていて、昔の面影を留めていません。

ここで「タイムスコープ」を起動すると、iPhoneの画面の中にその場所からの平安時代の眺めを見ることができます。

「タイムスコープ」は、歴史公園でない普通の市街地を歴史的な観光スポットに変貌させる、そんな可能性を秘めています。

  • 「タイムスコープ」は京都高度技術研究所(ASTEM)と(株)ドーガの共同開発製品です。
  • 写真の画面は開発中のものであり、ハメコミ合成です。

機能紹介

歴史的景観表示機能

ユーザーの現在地に応じた歴史的景観を360°自在に見渡すことが出来ます。


場所を移動すれば、それに合わせて見える景観も変化します。

説明表示機能

画面上の建物にタッチすると、その建物に関する説明を見ることができます。

開発経緯

「TimeScope」は、元々「タイムマシンナビ」という名称で、学研都市の知的クラスター創成事業「IT技術融合による新産業創出の研究」として、2004年にスタートしました。

研究統括は同志社大学工学部電子工学科の渡辺好章教授で、同大学歴史資料館の鋤柄俊夫助教授の提案でした。

しかし、当時の携帯電話の処理能力では本格的な3DCGを計算するのも、通信で画像を転送するのも間に合わず、なかなか実現できませんでした。

2006年に(株)ドーガが本研究に参加して、独自のアルゴリズムとCG技術によって、携帯電話版の「タイムマシンナビ」の試作に成功しました。しかしながら、「タイムマシンナビ」が動作する携帯電話の機種が、すぐ無くなってしまったことなどから、実用化には至りませんでした。

その後、iPhone 3GSが発売され、本システムにふさわしいスマートフォンであることが分かりました。

そこで、iPhoneの観光向けアプリケーションの開発実績のある京都高度技術研究所(ASTEM)を京都市から紹介を受け、システム開発はASTEM、CG制作はドーガが担当し、「TimeScope」として実用化しました。

実施場所

現在の千本丸太町


平安時代の景観

第1弾として、京都市の千本丸太町付近で平安京の朝堂院を再現しました。

平安京の朝堂院は、発掘調査がほとんど行われていないため、江戸時代の文献や平安神宮をベースに、独自の解釈を加えて再現を試みました。


今後の展開

今後は、キャラクターを登場させ、歴史的な事件を追体験するRPG機能を加えたり、過去ではなく未来の景観を表示させて都市開発へ応用させるなど、様々な展開を行っていきます。